「形容詞」は名詞を修飾する語です。 big apple だったり、beautiful woman のように名詞と一緒に現れます。英語学習者であれば自然に使っていますが、実は奥が深い品詞でもあります。今回はそんな「形容詞」について深堀りしていきましょう。
目次
形容詞の役割とは
冒頭に書いた通り、形容詞は「名詞」を修飾します。
形容詞の役割を理解する時、まず理解しておきたいのが「限定用法」と「叙述用法」です。
tall を使った例文を見てみましょう。
Look at that tall woman.
あの背の高い女性を見て。Asuka is tall.
あすかは背が高い。
どちらも形容詞 tall (背が高い)が使われていますが、位置に注目してみましょう。
「限定用法」
1文目のほうは名詞に直接形容詞がくっついています。
この使い方では、名詞を tall で限定しています。背が低い女性やうるさい女性など、様々な女性がいる中で tall という特徴を持った女性を指すことになります。
「背が高い」という形容詞だけでなく、多くの場合には背が高い人はたくさんいて、「背が高い(tall)」に加えて他の形容詞、例えば「素敵な(gorgeous)」という語を使うこともあるかもしれません。この場合、tall gorgeous とは言えません。
◯Look at that gorgeous tall woman.
あの素敵な背の高い女性を見て。
✕Look at that tall gorgeous woman.
あの背の高い素敵な女性をみて。
形容詞の並びには語順があり、以下のようになります。
[ 限定詞→感想・評価→大きさ→新旧→色→材料・所属→名詞 ]
※限定詞… your や that など
名詞の近くにはより本質的で客観的なものを置くため、 gorgeous のような主観的な形容詞は離れた位置に置かれます。
「叙述用法」
一方で、2文目は名詞と離れていますね。形容詞と名詞が離れて使われる場合、名詞の持つ特徴の1つとして形容詞が機能します。つまり、他の言葉を使って更に形容する可能性を残しています。
「限定用法」の時は形容詞に続いて形容詞を置くことができましたが、間に is 等の動詞が置かれる場合は接続詞を用いましょう。
S V C の場合以外にも形容詞が後ろの方で説明を加える場合があります。
I want to drink something cold.
何か冷たいものを飲みたいな。
There are no rooms available for tonight.
今晩は部屋に空きがありません。
You have to be 20 years old to drink.
お酒を飲めるのは20歳からだよ。
◯◯thing や◯◯body などの文章で後ろに形容詞がくっついているのをよく見かけます。これは、◯◯thing や◯◯body だけでは足りないから、情報を与えて明確にしようとするためです。
また、数量の後ろに形容詞が使われることもよくありますね。
もしも old という形容詞がなければ、あなたは20年どうあればよいのかという情報が足りていないことになるのです。そこで、「old(年齢を重ねた)」という形容詞で補い、理解を促します。
分詞とは何か?分詞も形容詞的に使われるため注意すべし
動詞の ~ing 形と過去分詞形も形容詞的に使われます。特に、感情を表す形容詞を勉強する際に間違いやすい部分なので、しっかりと理解しましょう。
動詞 ing 形
The way you talk is so boring to listen to.
あなたの話すことはつまらない。
That game was just amazing!
その試合は本当にすごかった!
いずれも元の動詞 bore(退屈にさせる) と amaze(びっくりさせる)から来ており、動きを感じさせます。
過去分詞形
Broken glass rained down on me.
割れたガラスが降ってきたのよ。
I was amazed at her rapid progress with learning Japanese.
彼女の日本語の上達の速さにはびっくりしたよ。
こちらは「〜された」結果、形容詞的な意味に変わっています。
感情を表す形容詞は 過去分詞形が多いのですが、それは、 ~ing形 は名詞そのものを表し感情を呼び起こす要因となっている一方で、過去分詞形は「〜された」結果としてその感情になるためです。これを理解しておくだけでもだいぶ間違いが減るのではないでしょうか。
形容詞の見分け方
多くの場合、接尾辞で見分けることができます。
以下のものが代表的な接尾辞です。
-ful
-able
-ish
-ary
-y
-ic/ical/al/ial
-ory
-ant/ent
-ive
-ous
語尾に -ly が付いていると英語に慣れている人であれば副詞だと自動的に認識してしまうこともあるかと思いますが、形容詞の場合もあるので注意してください。
EX)
friendly (有効的な)、costly (費用がかかる)、weekly (毎週の) 等
複合名詞の概念も確認しておきましょう。
ここまで、名詞は形容詞がくっつくと一貫して話してきました。品詞の勉強をしていると、問題を解く時に名詞を修飾する品詞として形容詞を選んでしまって間違えたということはありませんか?。
必ず名詞の前には形容詞であるというだけでなく名詞が入る場合があります。
以下のものが複合名詞(名詞+名詞)です。
例)
health insurance 健康保険
customer satisfaction 顧客満足
construction work 工事
growth initiative 成長戦略
application form 申込用紙
job opening 仕事の空き
pay cut 減給
safety inspection 安全検査
実用英会話例で形容詞の使い方を見てみよう!
例1)
A : Sometimes girls feel like they owe you something if you do them a favor.
A : 男に奢ってもらったら、女の子は借りがあるような気持ちになるのよ。
B : So if you let her, she’ll feel more relaxed.
B : だから、逆に女の子が奢ると心も楽になるんだよ。
A : Oh, but I don’t want to look cheap.
A : ケチな男だと思われたくない。
B : She might actually think that you are being really modern and respectful.
B : 逆に現代的で尊敬してくれてるって思うかもしれないよ。
例2)
C : That was so awkward.
超気まずい。
D : Do you think she heard us?
聞かれたかな?
C : No, but she clearly saw you were on your phone.
いや大丈夫。でも、電話持ってたのは絶対見られたよね。
おすすめ VoiceTube 動画で「形容詞」の使われ方を確認!
最後に、厳選 VoiceTube 動画を見て「形容詞」の使われ方を確認しましょう!
なぜ私たちは孤独と奇妙さを感じるのか(Why We Feel Lonely and Odd)
まとめ 形容詞を理解して表現の幅を広げよう!
以上、形容詞について今回は見てきました。特に、「限定用法」と「叙述用法」、「分詞形容詞」などは理解しておくと、この先の勉強にも活きてきます。
簡単なようで奥が深い品詞「形容詞」。基礎を固めて英語力アップしましょう!
最後までお読みいただきありがとうございました。
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ライター / Shinichiro
画像 / Jeff Sheldon, CC Licensed