TOEFLは海外の大学などで使用する英語力を測る試験のため、TOEICと比べてより高いリスニング力が求められます。今回はTOEFL iBTのリスニングパートで高得点を取るための対策法をご紹介します!
目次
TOEFL iBTのリスニングセクションの出題傾向
TOEFL iBTのリスニングは54−72分間のリーディングテストの後に行われます。TOEICはリスニングテストが先なので、集中力のある状態で望むことができますが、TOEFL iBTはリーディングが終わった状態でおこなうことになります。そのため、テスト後半でもいかに集中力を保つかがポイントになります。
下記では、近年あったTOEFLテストの変更点や出題内容、試験構成と点数の目安を紹介します。
・新しいTOEFL iBTの変更点
2019年8月にTOEFL iBTは新形式に変更になりました。一言でいうと、出題される問題数が減りました。新形式のリスニングパートの内容を確認してみましょう。
<新形式>
・試験時間:41−57分
【講義】問題数:3〜4題、設問数:各6問
【会話】設問数:2〜3題、設問数:各5問
新形式は旧形式に比べて問題数が削減されたことにより、試験時間も短くなりました。テスト内容の変更は公表はされていないため、旧形式のTOEFL対策でも十分に効果はあると言われています。旧形式の教材を使用する場合は、上記新形式で出題される項目の必要なパートのみを学習するようにしましょう。
また、ダミー問題は新形式のTOEFL iBTでも引き続き出題されます。ダミー問題が追加された時は試験時間が長くなるので、試験時間に幅があります。
・TOEFL iBTのリスニング出題内容
TOEFLは海外の大学などで使用する英語力を測る試験のため、TOEICと比べてより高いリスニング力が求められます。日常生活で使う英語とは異なり、環境や科学に関するものなど学術的なものや、大学の講義や教授との会話などアカデミックな英語を理解する力が必要です。
特に、講義形式の設問では数分間休みなく英語が読まれるので、内容を聞いて理解するためには時間をかけた予習が必要になります。リスニングの満点は30点ですが、初めはなかなかスコアが取れず半分以下という人も少なくないでしょう。
TOEFLで高いスコアを取るためには、TOEFLならではの試験対策が必要になるのです。
・TOEFL iBTの試験構成
TOEFL iBTは「講義」と「会話」の2種類で構成されています。
1.「講義」は、「幅広い分野の教養科目を題材」としており、講義が録画されたものです。内容は学術的なものになります。このタイプは2つのパターンに分けることができます。
・講義パターン
教授が学生に向かって一方的に講義を行います。教授と学生とのやり取りはないため、状況を理解するよりも、講義の内容を聞き取ることに集中しましょう。
・ディスカッションパターン
参加型の授業で、教授と学生たちの間でのやり取りが行われます。教授が学生に対して専門用語の意味について問題を出し、学生の一人が答えるといったやりとりや、学生が教授の言っていることがうまく理解できずに質問し、教授が説明するといったやりとりなどが想定されます。
2.「会話」は、大学で教授と学生、大学職員と学生、学生同士などの会話で、主に3つのパターンがあります。
・Office hours
大学教授の研究室に生徒が訪れ、教授に質問や相談をする内容です。学生がレポートを期限までに提出できない可能性があるため、期日を延ばしてもらえないかと相談する内容や、レポートのトピックの選び方の相談などの内容も想定されます。話の大筋は掴みやすいですが、大筋だけでなく学生と教授それぞれの主張と提案内容をよく聞き取り、理解する必要があります。
・職員への相談
一般的にはService encounterと呼ばれるような問題です。学生と職員との間で履修に関する質問などのやり取りが行われます。Office hoursに特徴がよく似ており、学生の質問に対して職員が解決できるための提案をします。また、図書館などで学生がレポートに必要な文献を探しているなどといった内容のものもあります。学生が次に何をすることになるかなどに耳を傾け、聞き取るようにしましょう。
・学生同士の会話
学生同士があるトピックについて会話をします。例えは、最近始まった図書館での美術品の展示についてなどです。具体的な美術品の背景などについても話されるなど、細かい情報も含まれるので難易度は高いです。話し手が次に何をするかなどに耳を傾け、聞き取るようにしましょう。
・TOEFL iBT点数の目安
TOEFL iBT公式サイトには、取得するスコアによってどれくらいのリスニング力があるかを判断する目安となる指標が掲載されています。
https://www.toefl-ibt.jp/test_takers/toefl_ibt/scores.html
初級は0~8、中級9~16、上中級17~21、上級22~30となっています。大学のレベルによって幅はありますが、海外の大学進学に必要なリスニングスコアは20前後であることが多いです。
これらはあくまで参考程度の指標ですが、模擬試験などを受けてまずは自分のリスニング力がどれくらいあるのかを知っておきましょう。
TOEFLのリスニングが難しいと感じる理由とは?
「TOEFL iBTのリスニングが難しい・・」と感じる方、周りから聞いて心配されている方も少なくないと思います。ここでは、TOEFLのリスニングが難しいと感じる3つの理由をご紹介します。
・TOEFLに合った単語力が必要
アメリカやカナダに留学する人が受けることになるTOEFLは一般的な英語だけでなく、学術的な英語力も求められます。そのため、TOEFLに合った単語力を身に着けなければ、どんなにリスニング力を高めても高得点を獲得することはできません。
・数分間の音声を聞き取り、解答しなければならない
TOEFL iBTのリスニングでは、講義の音声は1つ5分程度、会話の音声は1つ3分程度になり、音声を聞いた後に5〜6問の設問を解かなければなりません。そのため、長い音声を聞く集中力と、内容を理解して解答する力の両方が求められます。問題を解くために内容を「記憶」しようとするのではなく、自分もその場で会話に参加しているような気持ちで話を「理解」しようする方が正確な聞き取りにつながります。
・話し口調のアメリカ英語に慣れていない
中学校、高校までのテストでは、教材のナレーションのような聞き取りやすい英語がほとんどでした。しかし、TOEFL iBTのリスニングでは自然な会話のアメリカ英語がほとんどなので、そういった英語に耳を慣らしておかなければ、聞き取るのが難しいと感じてしまいます。
TOEFLリスニング対策におすすめの教材3選と学習法
それではTOEFL iBTのリスニングの勉強におすすめの教材と対策方法をご紹介します。
・単語帳:TOEFLテスト英単語3800 4訂版
TOEFLで高得点を狙う上で専用の単語帳は必要不可欠です。
まずは単語力を養うことで、リスニング力だけでなく、リーディング力もUPします。
参照元:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/094431
・問題集:はじめてのTOEFLテスト完全対策 改訂版
TOEFL iBTの対策をする上でTOEFL公式から出ている問題集を解くのは必須なのですが、初心者の方は公式の問題集を解く前に日本語の書籍でテストの内容や流れに慣れておきましょう。
こちらは簡単なテストの流れや演習問題、特典を得るための戦略が載っているため、初心者の方にとっては大きな手助けになると思います。
参照元:https://www.obunsha.co.jp/product/detail/094433
・動画で英語がを学べるアプリ「VoiceTube」
エンタメ、科学とIT、社会、TOEFLとIELS、暮らし、スピーチなどのカテゴリーからいくつでも好きな動画が数十秒お試しで観られます。(英語・日本語字幕付き)
海外のニュースやテレビ番組、TEDも観ることができ、生の英語に触れることで英語教材よりも上のレベルのリスニング力が身に付きます。また、世界の出来事やトレンドなどを学ぶことができます。
動画は初級〜上級にレベル分けしてあり、字幕のオン/オフや音声のスピードが調整できます。わからない単語は単語を長押しすると辞書機能でその場ですぐに意味を確認できます。いろいろな英語を聞くことができますが、TOEFLのリスニング対策向けにアメリカ英語を重点的に選んで聞き、話し口調のアメリカ英語に耳を慣らしておくのがおすすめです。
ドキュメンタリー系の動画はアカデミックさとエンターテインメントのバランスがちょうどよく、楽しく見れるかと思います。また、ドキュメンタリーからはライティングやスピーキングの時に使えるネタ収集にも役立ちます。
知っていると得するTOEFLリスニングの知識・コツ
最後にTOEFL iBTのリスニングにおいて知っておくと得をする知識やコツについてご紹介します。
・ダミー問題
TOEFL iBTのリスニングセクションではダミーの問題が出題される時があります。ダミー問題とは、ETSが受験生のデータ収集の目的で設置している問題で点数には影響しません。リスニング問題の最後に出現すると言われていますが、どれがダミー問題か確実には分からないのでこの記事では解くことをおすすめします。
・リスニング中にメモを取るべき?
リスニングの音声を聞いている時にメモをとるか取らないかについても、実は意見の分かれるところです。この記事では基本的にはメモをとることをおすすめします。
まず、現時点では満点を目指しておらず、とりあえず可能な限り高得点が取りたいという方はメインとなる内容などについてメモを取り、内容を整理して聞き取ることに専念しましょう。
満点を目指している方も比較や時系列の出てくる問題は、あとで細かい部分が思い出せなくなる可能性があるため、1,2語でもメモをしておくといいと思います。
ただし、メモを取っている間はどうしても集中力がメモに取られてしまいがちです。演習問題を通してメモを取った時と取らなかった時でどちらが正答率が高かったかを比較し、効果が得られた方でテストに臨むのがいいでしょう。
まとめ
リスニングはTOEFL iBTを受ける方にとって大きな得点源になります。リスニング力はすぐに身に付くものではないですが、毎日コツコツ音に慣れ、ぜひ3ヶ月くらい続けてみて下さい。
また、TOEFL iBTの教材と英語のニュースや動画などをバランスよく、とにかくたくさん聞いて、感覚的に上達させることが高得点を獲得するカギとなりますので意識して練習してみてください。