「fate」と「destiny」の違いとは?「運命」を意味する英語表現

最終更新日: 2022年08月16日

運命, 英語, fate, destiny

英語で「運命」を意味する英語はいくつかあるのですが、和訳すると全く同じ日本語になる単語に「fate」と「destiny」があります。同じ運命でもこの二つの意味合いは英語では大きくニュアンスが異なります。今回はこの 2 つの単語の使い分けについて解説します。

「fate」と「destiny」の違いまとめ

この二つの単語の大きな違いは肯定的か否定的かの違いにあります。

「fate」と「destiny」はどちらも「運命」という意味ですが、「destiny」は主に良い運命に、「fate」は悪い運命を表現するときに使います。同じ「運命」を表す英単語ですが、ニュアンスにこれほどまでに違いがあるのです!

では、さらに細かい違いを例文や動画と共に確認しましょう。

fate

絶望的な運命を指して使う言葉であり、具体的にいうと「死」や「失敗」を暗示したり、抗うことのできない未来を表す際に使う単語です。日本語では「宿命」と訳すこともあります。

destiny

肯定的で明るい未来を指して使う言葉です。具体的にいうと秘めた才能から将来的に大きな成功を収めるであろう相手に対して「運命」を名指す際に使う単語です。また fate よりも変更不可能というニュアンスは薄く、希望的観測値が高い運命とも言えます。

両者の意味合いの違いは、「プラス的な運命かマイナスを暗示する運命かの違い」ということです。

1. 「fate」の使い方

「fate」は日本語訳すると「宿命」ともなることから生まれた時や遥か昔から定められた変えることのできない未来を暗示する言葉です。また意味合いもマイナスな側面が強く、悲観的な意味合いを表すことがほとんどです。

The sadness of a human rejecting the cruel reality of  fate.
運命という残酷な現実を簡単には受け入れられない人間のかなしさ

I’ve resigned myself to my fate.
私は運命に身をゆだねた。

2. 「destiny」の使い方

こちらも「運命」という意味を持つ以上、成り行きでほぼ確実にそうなるであろう未来を指しますが、「fate」ほど絶対的な意味は持ちません。意味合いも希望的な意味合いが強くポジティブな未来を示す際に使うため、変わるとしても良い方法からさらに良い方向に好転するという意味合いと捉えます。

事業の大成、理想の人との結婚、大きな賞の受賞など、そういった事を成し得た相手に対して使うのが一般的な使い方です。

From an early age, he felt becoming a priest was his destiny.
小さい頃から、彼は聖職者として人生を歩むことが使命であると感じていた。

I think this is destiny that you become a super star.
私が思うに君がスーパースターになることは決められた運命だよ。

その他の「運命」を意味する英語

doom

良い運命か悪い運命かで分類すると、悪い運命の方で用いられるため、意味合い的には「fate」の類義語になります。避けることの出来ない絶望的な未来を暗示する単語です。

For many, it is their lack of basic skills that dooms them to menial jobs.
多くの人の場合、彼らに雑役的な仕事を運命づけているのは、基本的な技術が欠落していることです。

fortune

こちらは良い運命、悪い運命、どちらの意味でも使われます。日本語でいうと「占い」や「運勢」という意味合いが最も近いです。ポジティブでもネガティヴでも人の人生に影響を与える事象を指し示す言葉で、「富、財産」という意味合いも持ちます。

I had the  fortune of winning the scholarship.
奨学金をもらえたのは、とても幸運だった。

My daughter’s wedding cost me a fortune.
娘の結婚式には大金がかかった。

lot

「多い」という意味合いでよく使われますが、「運命」という意味合いでも使うことがあります。定められた「運命」という意味合いよりも偶発的に起こりうる事象を指します。「fortune」と少し似ていますが、こちらの方がより確率的な運命を表すので日本語のなかで「くじ引き」や「宝くじ」を指して使う時がある言葉です。

He suggested everyone draw lots to decide who should pay.
彼はみんなにくじを引かせて誰が支払いをするか決めればいいと提案した。

「fate」 と 「destiny」 の使い分けの感覚を掴むコツ

この二つの意味を整理すると以下のように分類できます。

fate:ネガティブな未来であり、変えることの出来ない未来の結果を示す。日本語では「宿命」という言葉がより適切になる。

destiny:ポジティブな未来であり、希望的な未来の結果を示す。より良い方向に変わるかもしれないという暗示もある。

日本語で言う「運命」とは昔から定められた未来を指しますが、そこにプラスマイナスの区別はあまりしません。しかし英語ではどちらに傾いた運命なのかによって使われる単語が変わります。

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「類義語」にまつわる英語表現の使い分けを覚えよう!

今回は「fate」と「destiny」の意味合いの違いと使い分けについて紹介しました。日本語に訳すと意味の違いがわかりにくい単語はそれぞれの英単語が持つニュアンスを理解しましょう。そうすればそれぞれの使い方や使い分けが明確にわかります。

これらを使いこなせるとあなたの英語の表現の幅が広がることは間違いないので今回紹介した例文を参考にしてぜひ実践の英会話でも役立ててみてください。ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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文/ Aki
翻訳/ Aki
画像/Danica Tanjutco, CC Licensed

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