最終更新日: 2024年07月22日
「リスニングが全然聞き取れない…」
「英語力にアップにリスニングって必要なの?」
など、リスニングについて悩んでいませんか?実は日本人の多くがリスニングに対して苦手意識を持っているのです。
そこで、本記事では「そもそもリスニングは重要なの?」という疑問から、克服方法、リスニング攻略のコツまで、留学せずに英語を身につけた筆者が徹底的に解説していきます。英語を学習中の方には、ぜひ一度は読んでいただきたい内容です!
目次
そもそもリスニングって重要なの?
◾️リスニングは英語力をつける上で重要
英語力において日本人は「ライティング」と「リーディング」に比較すると「リスニング」と「スピーキング」が苦手だとよく言われます。
これは日本人は日頃から英語を話す環境になく、学生時代に学ぶのは「試験対策としての英語」だからです。大学入試においても、国際系など英語に特化した学部でない限り、スピーキング力は問われませんよね。
そんな入試などを終えてもなお、英語を学んでいる方の多くは「英語が話せるようになる」ことがゴールだと思います。話せるようになる=スピーキングの練習だけすればいいのではないか?とついつい考えてしまうかもしれませんが、英語は4技能をバランス良く学習して初めて身につくものなのです。
◾️日本人が英語を話せないのは「聞き取れない」から?
日本人が英語を話せない原因のひとつに「リスニング力」が不足していることがあげられます。もちろん、単語やフレーズなどの語彙力が不足している場合など他にも理由はありますが、英語を「聞き取る力がない」ことが大きな要因です。聞き取れない単語は理解できませんし、話すこともできないのです。
ではなぜ聞き取れないのか?これには英語と日本語では会話のリズムや発生が違うためです。日本語にも抑揚はありますが、1つ1つの文字にアクセントはありません。それに比べると英語は、単語ひとつひとつにアクセントがあり、それが組み合わさり文章となります。
また、英語も国によってかなりイントネーションや発音が変わります。アメリカとイギリス、オーストラリアなど英語を第一言語とする国でさえ、発音やスペルが異なるので、日頃から慣れていないと聞き取ることは非常に困難です。
リスニングが難しいと感じる理由は?
リスニングが難しいと感じる主な理由3つを紹介します。
- スピードについていけない
- 単語やフレーズがわからない
- 英文の「音」を理解していない
以下で詳しく解説します。
◾️スピードについていけない
日本人が学校や試験で聞くリスニング音声は、プロのナレーターが読み上げているもので、いわゆる「きれいな英語」です。スピードはゆっくりで、発音もはっきりと明瞭であることが多いです。
そのため、ネイティブスピーカーの話す英語のスピードについていけないケースが多いです。イメージしやすく例をあげると、日本でもアナウンサーやナレーターは聞き手が確実に理解できるよう意識してゆっくり、はっきりと話していますよね。でも、日常生活で私たちは話すスピードを意識しません。英語でも同じことが言えます。
◾️単語やフレーズがわからない
リスニングが難しいと感じる理由のひとつに、純粋に「語彙力がない」という理由があげられます。日本語でもそうですが、知らない単語や四字熟語などは聞き取れませんよね。日本語なら会話の流れでなんとなく意味を推測できるかもしれません。しかし英語では、流れてくる英語を聴きながら、意味を推測するのは容易ではありません。
ネイティブスピーカーが知っている単語数は、およそ 20,000〜30,000 単語と言われています。もちろん知っているだけであって、実際の会話に用いられるのは 5,000 単語程度です。一方、日本人が学生時代(高校生まで)に習う英単語数は、3,000〜4,000 語と言われています。つまり、会話で使われる 7〜8 割程度はすでに学習していることになります。いかに復習が大切なのか分かりますね。
◾️英文の「音」を理解していない
英語には、書かれているけど読まれない音や、フレーズとフレーズをつなげて読む「リンキング」などがあり「音」が頻繁に変わる言語です。
具体的には以下のようなものがあります。
knight→発音は”nάɪt”で、最初の”k”は読まれません。例)リンキングワード
fall in→そのまま読むと「フォールイン」ですが、実際には「フォーリン」とつなげて発音されます。
このような英語の「音の特性」を理解していないと、なかなか聞き取れずリスニングが難しく感じます。
勉強している「つもり」になっているNGリスニング学習法
続いて、勉強している「つもり」になっているNGリスニング学習法を紹介します。なかなかリスニング力が伸びないと悩んでいる人は確認して見てください。
- ただ英語を聞き流している
- 英語を「聞く」練習だけしている
- ドラマや映画を教材にしている
- 教材が自分のレベルに合っていない
以下で詳しく解説します。
◾️ただ英語を聞き流している
YouTube などで英語の聞き流し動画や音源を多く見かけますよね。果たして英語をただ聞き流しているだけで、英語力はつくのか?答えは”NO”です。
もちろん聞き流しも英語に耳を慣らすという目的としては、有効ですし、ある程度英語が理解できる人には良い学習法でしょう。この「ある程度」というのは、聞き流していても8割程度の意味を理解できる人です。
何を言っているか全くわからないという人は、聞き流しではなくディクテーションなど文字で起こすトレーニングがおすすめです。
◾️英語を「聞く」練習だけしている
実は遠回りに見えて、英語はライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4技能をバランス良く鍛えることが近道です。
そのため、リスニング力を高めようと「聞く」練習だけしていると、語彙力が増えずなかなか聞き取れるようにはなりません。
◾️ドラマや映画を教材にしている
英語学習をしていると洋画や海外ドラマを教材にしている人を多く見かけますよね。しかし、この方法は中上級者向けの学習法です。
なぜなら映画やドラマでは、スラングや隠語などなかなか学習しない言い回しなどが登場するからです。基本的な単語やフレーズが身についていて、さらにネイティブが日頃使う日常英会話を学びたい人にはおすすめです。
では、「初級者だけど映画やドラマでリスニングの練習がしたい!」そんな人には、VoiceTube のアプリがおすすめです。すべての動画にスクリプトと和訳がついていますし、再生速度も変更できます。さらに、その動画で登場する「重要な単語」がリストになっているので単語帳としても活用できます。それぞれの単語の発音も聞けますし、例文まで確認できる優れものです!
無料でお試しできるので、まずはアプリをダウンロードして試してみてください。
Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=org.redidea.voicetube&hl=ja&gl=US
iOS:https://apps.apple.com/us/app/voicetube-learn-english/id641446200
◾️教材が自分のレベルに合っていない
自分のレベルにあった教材を見つけるのは、リスニング力だけではなく英語力を身につけるためにも最も重要です。しかし、英語学習者の多くが自分のレベルに合っていない教材を使用しています。簡単すぎるものを聞いていては、それ以上伸びませんし、逆に自身のレベルよりも高いものは難しすぎて先述した「ただ聞き流すだけ」になってしまいます。
では、どの程度のものを選べばいいのかというと、聞き流していても「7割程度」理解できるものです。それをしっかり聞いて、理解できるレベルまで持っていき、聞き流しても9割理解できるようになったら、より難易度が高い教材やコンテンツに変えましょう。
リスニングを克服する4つの勉強法
リスニングを克服する4つの勉強法を紹介します。
- 語彙力をつける
- 音読をする
- ディクテーションをする
- シャドーイングをする
以下で詳しく解説します。
◾️語彙力をつける
リスニングだけではなく英語学習全般に言えることですが、まずは語彙力をつけることが最優先です。リスニングにおいても、知らない単語やフレーズは聞き取れません。
単語帳は、いくつも手を出すのではなく、まずは一冊を少なくとも 3〜4 周行いましょう。単語帳を選ぶ際は「目的」と「レベル」が大切です。目的というのは、資格試験の合格なのか、それとも自己研鑽として英語を学ぶのかです。資格試験に出題される単語と日常生活で必要となる単語は種類が異なります。そのため、目的に合った単語帳を選ぶ必要があります。
ただし、現時点で英語に苦手意識がある人が、急に「英検1級を目指そう!」というのは無理があります。級に英検1級用の単語帳を購入しても、習得するまでにかなりの時間がかかってしまいます。まずは、自分のレベルに合った簡単すぎず、難しすぎない単語帳を選びましょう。
◾️音読をする
英文を声に出して読んでみると、息継ぎの間やイントネーション、アクセント、リンキングなど英語特有の音やリズムを理解できるようになります。声に出すのが一番ですが、難しい場合は声を出さずに頭の中で読み上げるだけでも効果はあります。通学や通勤の合間などの隙間時間を活用して、脳内で読み上げて見ましょう。
◾️ディクテーションをする
リスニング力に最も効果がある勉強方法は、ディクテーションです。ディクテーションは、聞いた英語を書き起こしていくトレーニングなので、知らない単語やフレーズは書き起こせません。そのため、知らない単語を明確化することもできます。最初は再生スピードについていけないと思います。再生スピードが調整できる音源を使用するか、最初のうちは2〜3文聞いたら書くというように調整して取り組みましょう。
また、スペルを正しく書きとれるかどうかも大切です。特に “appriciate” や”different” など、同じアルファベットが続くものは間違えがちです。綴りが曖昧な単語はそのままにせず、しっかり見直して対策しましょう。
ディクテーションの詳しい練習方法は『ディクテーションは意味ない?学習方法とおすすめのアプリを紹介!』で解説しています。
◾️シャドーイングをする
音声に数秒遅れて、読み上げるシャドーイングもリスニング対策にはおすすめです。声に出して読んでみると、アクセントを置いている部分や、音と音のつながりが分かります。これらが分かるようになると、英語は一気に聞き取りやすくなるでしょう。
シャドーイングを始めたての頃は、恐らくスピードについていけず、追いかけて声に出している内に聞き取れなくなってしまいます。そのため、スクリプトのある音源を使用して行うと良いでしょう。もちろん目標はスクリプトを見なくても、再生スピードを同じスピードで聞いて言えるようになることなので、見過ぎは禁物です!
シャドーイングの詳しい練習方法は『シャドーイングは効果ない?正しいやり方を徹底解説!』で解説しています。
リスニング力を上げるコツ
意識するだけで一気に英語が聞き取りやすくなるコツを5つ紹介します。今すぐに使えるものなので、ぜひ取り入れてみてください。
- アクセントやリンキングワードを意識する
- 英語を英語のまま理解する「英語脳」を作る
- メモをとる
◾️アクセントやリンキングワードを意識する
先述した通り、英語には特有の音やリズムがあります。アクセントやリンキングワードをしっかり意識して、日頃から英語を聞いてみましょう。いつもなんとなく聞いている、リスニング教材やニュース、動画なども、これらを少し意識して聞くことで、リスニングの勉強としては大幅にレベルアップします。
さらに、国によって英語の発音は大きく異なります。シンガポールの英語はシングリッシュと呼ばれたり、”Good Day” もオーストラリアでは “グッダイ” と発音したり、さまざまです。日本人が聞き慣れている英語は、アメリカ英語なので、音声を聞く時は「どういう英語なのか」という点を考えて見ると良いでしょう。
◾️英語を英語のまま理解する「英語脳」を作る
日本人あるあるですが、流れている英語をついつい「日本語」に訳してしまいます。ただ、これをしているとリスニングのスピードについていけず、途中で話の流れがわからなくなってしまいます。
そのため、英語を英語のまま理解できる「英語脳」を作りましょう。英語脳を作るには「多読」が有効です。多読は、文章を逐一訳すのではなく、わからない単語やフレーズも前後の関係から推測して読み進めていく学習法です。
これを繰り返し行っていくと日本語に訳す癖が少しずつなくなり、英語を英語のまま理解できるようになります。ただし、毎日コツコツと行うのが大切です。10分でも20分でもいいので、必ず毎日取り組めるよう心がけましょう。
◾️メモをとる
リスニング音源を聞きながら、メモをとる練習をしましょう。そして、全て聞き終わった後にそのメモを見返して、リスニング内容が理解できるか確認します。ディクテーションとの違いは、一言一句聞こえてきたものを書き起こすことが目的ではなく、あくまでも概要を理解するための練習です。
恐らく最初はディクテーションのように、聞こえてきたものすべてをメモに取ろうとしてしまうはずです。ポイントは、誰がいつ何をした(言った)のかという点を意識することです。ディクテーションは、英語を「聞く力」を高めてくれ、メモは「内容を整理して理解する力」をつけるのに役立ちます。これは、試験対策のリスニング試験にも有効です。
資格試験別リスニング対策法
ここからは、資格試験別のリスニング対策法を紹介します。
- 英検®︎
- IELTS
- TOEFL
- TOEIC
◾️英検®︎
英検のリスニング対策においては、問題形式に慣れることが大切です。級によって出題される内容や再生回数も異なりますが、英検®︎のリスニング音源は比較的聞き取りやすいため、繰り返し演習問題や過去問をこなすことでスコアアップにつながるでしょう。
急に難易度が上がる英検®️準1級のリスニング対策については、「英検®︎準1級のリスニングはこれで得点する!コツや勉強法を徹底解説」で詳しく解説していますので、参考にご覧ください。
◾️IELTS
IELTS のリスニングには4つのパートがあり、日常会話から大学の講義までと内容もさまざまです。複数人で行われる学術的なディスカッションでは、内容が難しいことに加え、誰が何を話しているのか見失いがちになります。そのため、男性なら”M” 女性なら “F” など略語を使ってメモを取る練習をしましょう。
詳しい対策方法は「【IELTS】リスニングの概要とコツ!問題形式別に徹底解説」で解説しています。
◾️TOEFL
TOEFL iBT のリスニングでは、講義と会話の2種類が出題されます。講義は1つ3〜5分程度、会話は3分程度と他の資格試験と比較すると長い音声を聞かなくてはなりません。そのため、長い音声を聞く集中力と、内容を理解して解答する力の両方が求められます。
さらに登場する単語が学術的な専門用語なども多く、難しいと感じる人が多いです。そのため、まずは TOEFL 用の単語帳を使用して、とにかく語彙力をつけましょう。詳しい対策方法は「【新形式】TOEFL iBTのリスニング対策!攻略法を徹底解説」で解説しています。
◾️TOEIC
TOEIC では、ビジネスや経済、法律などで使用される専門用語が多く出題されます。リスニング能力だけではなく、問題解決能力を測定されます。ビジネスシーンなので、カジュアルな英語ではなくフォーマルな英語が使用されます。そのため、リスニングの過去問だけではなく、リーディングのパッセージなどを活用して専門用語や単語の言い換えなど習得しましょう。詳しくは「【保存版】高得点を狙う!効果的な TOEIC®︎(トーイック)リスニング対策方法」で紹介しています。
まとめ
本記事ではリスニングの基本から、なぜ難しいと思うのか、その解決法などについて解説しました。英語を「話す」ことを目標にすると、スピーキングの勉強についつい注力してしまいがちですが、リスニング力をつけた方が結果、早く英語が話せるようになります。リスニングをマスターして、英語力を底上げしましょう!
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