最終更新日: 2024年05月24日
英語がビジネスの共通語となっている現代社会において TOEIC®︎ (Test of English for International Communication) は、ビジネス環境での英語コミュニケーション能力を測定するために世界中で広く受けられているテストです。高得点を狙うには単に英語のスキルを伸ばすだけでなく、問題の傾向に慣れる必要があります。TOEIC®︎ には、リーディングとリスニングの2つのセクションがありますが、今回は特にリスニングに焦点を当て、その問題の種類や内容、対策方法について紹介していきます。
目次
TOEIC®︎(トーイック)はどんなテスト?
TOEIC®︎(Test of English for International Communication) は、ビジネス環境における英語コミュニケーション能力を測定するためのテストです。TOEIC®︎ はリーディングとリスニングの2つのセクションで構成され、実用的なビジネス関連の場面における英語力をテストします。また、TOEIC®︎ のスコアは、企業や教育機関などが従業員や学生の英語力を測定するために利用されます。スコアは、0から990点の間で評価され、高いスコアを取得することは、グローバルなビジネス環境で競争力を高めるために重要とされています。
TOEIC®︎ リスニングテストの問題内容と難易度
TOEIC®︎ のリスニングセクションは、実際のビジネス環境に基づいた音声素材を使用しています。これらの音声素材は、英語圏のビジネス環境でよく使われるテーマに関するものであり、聴解力と問題解決能力をテストします。
TOEIC®︎ リスニングテストの問題は4つのパートに分かれており、総合的なリスニング能力を問われます。パート1では、単語や短いフレーズ、パート2では、短い会話や質問に対する答え、パート3では、長めの会話や講演、そしてパート4では、講演やニュース放送のような長いテキストが聞こえます。テスト中は、問題を聞いた後に回答用紙に答えを記入します。リスニングセクションは、100の質問から構成されており、45分間で解答する必要があります。テストには、基礎的な英語力を必要とするものから、高度な英語力が必要なものまで、さまざまな難易度の問題が含まれています。ビジネス関連の場面での英語コミュニケーション能力を測定するための重要な指標となります。
パート | 問題内容 | 問題数 | 所要時間 | 難易度 |
Part 1 | 【写真描写問題】1枚の写真に関する短い文が1回だけ再生されます。4つの選択肢から写真の描写に最も適切なものを選びます。 ※説明文は用紙に印刷されていない。 |
6問 | 3分 | 初級 |
Part 2 | 【応答問題】短い会話やアナウンスが1回だけ再生されます。質問に対する最適な応答を3つの選択肢から選びます。 ※回答は印刷されていない。 |
25問 | 9分 | 初級 |
Part 3 | 【会話問題】2〜3人の人物が話しているシチュエーションを1回だけ聞いて、4つの選択肢から正解を選びます。問題用紙にある図などの情報と関連づけて解答する設問もあります。 ※会話は印刷されていない。 |
39問 | 17分 | 中級 |
Part 4 | 【説明文問題】商品やサービスに関する説明を聞いて、4つの選択肢から正しいものを選びます。問題用紙にある図などの情報と関連づけて解答する設問もあります。 ※トーク内容は印刷されていない。 |
30問 | 16分 | 中級 |
合計 | 100問 | 45分 |
また TOEIC®︎ のリスニングには「音声は全て1回しか放送されない」「メモは禁止」などの注意点もあるので、普段の練習からこれらを意識して気を付けましょう。
参照:【公式】テストの形式と構成|TOEIC® Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
TOEIC®︎ リスニング問題の特徴
ビジネス英語の語彙力が必要
TOEIC®︎ のリスニング問題は、実際のビジネスシーンにおけるコミュニケーションに基づいて設計されています。例えば、会議の議事録、テレフォンアンサリング、プレゼンテーション、客室サービス、旅行計画など、実際のビジネスシーンで使用される様々な会話形式が出題されます。このため、リスニング問題では、聴解力のみならず、ビジネス英語における慣用表現や略語、スラングなどにも対応する必要があります。
誰が何を話しているか、登場人物の関係性を正確に把握する必要がある
TOEIC®︎ のリスニング問題では、複数の話者が交互に話すことがよくあります。これにより、リスニング問題はより現実的なコミュニケーション状況をシミュレートすることができます。しかし、複数の話者がいるため、誰が何を言っているのかを把握するために、話者の切り替わりや、発言者が話している内容とその関係性を正確に理解する必要があります。加えて、話者が英語を自然なスピードで話すため、聴解力だけでなくリスニングスキルも求められます。
さまざまな地域のアクセントの英語を聴き取る必要がある
TOEIC®︎ のリスニング問題は、英語圏の様々な地域からの話者の音声が使用されています。アメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、南アフリカなどの地域のアクセントが混在しているため、慣れないアクセントを聞き取ることが必要になります。
長い問題文が出題される
TOEIC®︎ のリスニング問題には、短い問題文や単語に限らず、長い問題文が含まれることがあります。これらの問題文には、聴取者が理解するために必要な情報が詳細に記載されています。しかし、長い問題文を聴く際には、集中力や聴取力が必要になります。聴き手は、話者が話す内容を正確に理解するために、問題文の要約や要点をスピーディに理解する必要があります。また、聞き取った情報をすばやく処理し、簡潔かつ正確な回答を選び出すことも求められます。
TOEIC®︎ リスニング問題が聴き取れない理由
初めは TOEIC®︎ リスニング問題の英語がうまく聴き取れない、理解できないという人も多いことでしょう。ここでは考えられる TOEIC®︎ リスニング問題が聴き取れない理由を紹介します。
理由1:話される英語の速度が速い
リスニング問題では、英語を母語とする人々が自然なスピードで会話しているため、普段の会話よりも聞き取りにくい場合があります。さらに、短い時間に多くの情報を聞き取る必要があるため、集中力や聞き取り能力の高さも求められます。
理由2:アクセントや発音がそれぞれ異なる
TOEIC®︎ のリスニング問題では、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語、オーストラリア英語、カナダ英語、ニュージーランド英語、アジア圏の英語など、多様な地域や国のアクセントや発音が出題されます。また、話者の個人的な癖やアクセントも出題されるため、聞き取りにくいことがあります。
理由3:専門用語が多く出題される
TOEIC®︎ のリスニング問題では、ビジネスや経済、法律などの専門分野で使用される専門用語が多く出題されます。これらの専門用語は、一般的な英単語と異なる意味や用法を持っていることがあり、特に初級者や中級者にとっては理解しづらいことがあります。
理由4:英語の聴き取り問題に慣れていない
リスニング力は、継続的な聴き取りの練習が必要です。しかし、英語圏で暮らしていない場合や、英語を聞く機会が少ない環境である場合、十分な練習ができず、聴き取りにくいと感じることがあります。また、それだけでなく「1回しか再生されない」「メモができない」「1度に多くの登場人物が話す内容を聴き取る」「グラフを見ながら会話を聴く」といった TOEIC®︎ リスニング問題特有の形式に慣れていないと、たとえ英語を聴き取る力があっても、うまく回答できない可能性があります。
TOEIC®︎ のリスニング問題対策方法
日常的に耳を英語に慣らす
TOEIC®︎ のリスニング問題は、日常的に英語の音声に触れることで鍛えられます。英語の音声に慣れるためには、できるだけ多くの英語音声に触れることが必要です。例えば、英語のラジオ番組やポッドキャストを聴くことも効果的です。これらのコンテンツには、様々なアクセントや話者が登場し、リスニング力を鍛えることができます。また、英語の映画やテレビ番組を視聴することも良い方法です。映像がある場合、言葉の意味を視覚的にも理解することができるため、英語初心者でも効果的にリスニング力を向上させることができます。さらに、英語で話す友達と会話をすることもリスニング力を鍛えるための有効な方法です。日常的に英語に触れることで、TOEIC®︎ のリスニング問題に対応する力を身につけましょう。
アクセントやスピードに慣れる
TOEIC®︎ のリスニング問題は、アクセントやスピードの異なる様々な音声素材が出題されます。特に、話者のスピードが非常に速い場合もあり、初めは聞き取りにくく感じることもあります。しかし、日常的に英語の音声に触れ、スピードに慣れることで、徐々に聴き取れるようになります。
スピードに慣れるためには、英語を母国語とする人たちが実際に使っているビジネス関連の番組やポッドキャストを選ぶと、TOEIC®︎ のリスニング問題により近い音声を聴くことができます。最初は聴き取りにくく感じるかもしれませんが、徐々に慣れていくことで、よりスムーズに聴き取れるようになります。
また、映画やドラマを見ることも、実際の英語の会話に近い様々なアクセントや話者のスピードが使われているため、TOEIC®︎ リスニングテスト対策に効果的です。最初のうちは日本語の字幕をつけて観ることも良いですが、できるだけ英語の字幕や音声だけで観るようにすると、より効果的です。
また TOEIC®︎ のリスニング問題ではスピードだけでなく、アクセントや文脈なども理解する必要があるため、慣れるだけでなく、聴解力を鍛えることも重要です。
言い換え単語やビジネス英単語に慣れる
TOEIC®︎ のリスニング問題は、ビジネスシーンで使用される英語が扱われています。このため、友人同士の会話で使用されるようなカジュアルな表現ではなく、よりフォーマルな表現や専門用語、ビジネスに関連したフレーズやイディオムが登場します。初心者にとっては、これらの言葉や表現はなじみがなく、聴き取りにくいと感じることがあります。
上級者向けの英単語言い換えを学ぶことも、リスニングでの点数を上げる効果的な方法の1つです。TOEIC®︎ のリスニング問題では、同じ意味の単語が言い換えられた形で出題されることがよくあります。これらの単語の言い換えに慣れておくことで、リスニングの際に素早く理解することができます。いっけんリスニングとは関連のなさそうな TOEIC ®︎リーディング問題の対策教材や問題集を使って、英単語の言い換えや難しいイディオムを覚えておくことも重要です。
TOEIC®︎ のリスニングセクションは、英語のリスニング能力を測るための非常に重要なセクションです。日常的に英語の音声に触れ、リスニング力を鍛え、問題に対する準備をしっかりと行い、スムーズに解答できるようにしましょう。
さらにスコアアップを目指す人へ!パート別略方法
TOEIC®︎ テストで高得点を狙うためには、単語や文法の基礎知識を身につけるだけでなく、各セクションごとのスキルを磨くことや、全体的な戦略を立てることも重要です。ここではリスニングセクションで高得点を狙う人に向けて、パートごとのスコアアップのためのアドバイスを紹介します。
【パート1:写真描写】
パート1には比較的簡単な英単語が多く含まれており、初心者でも解きやすい問題が多いです。しかし、英語を聴きながら同時に画像の情報を処理する必要があるため、問題形式に慣れていない場合は混乱する可能性があります。ですので、短時間で情報処理に慣れるためにも、多数の問題に取り組むことが重要です。
人物写真の場合は、写真の中の人物が何を身につけているか(状態)や何をしているか(動作)に注目しましょう。また、人物が2人以上いる場合は、「共通の動作や状態」と「片方だけが行っている動作や状態」にも注目しましょう。
風景写真の場合は、写真の中に何があるかやどんな状態かに注目し、問題文の主語(柱、窓、木、扉など)に注意しましょう。また、写真の中に存在しないものは選択肢に含まれていないことに注意してください。
問題が始まる前に、これらの点を意識して写真を見て、あらかじめ聞かれそうな部分を予測することが大切です。
TOEIC®︎ リスニングセクション・パート1攻略ポイント
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【パート2:問答応答】
パート2では、質問の最初の単語に注目して聴くことが大切です。疑問詞(when、what、where、which、who、whyなど)が使われている場合は、その単語に答えている選択肢を選ぶと正解になることが多いです。Yes/Noで答える一般的な疑問文の場合は、内容をしっかり聴き取って、「はい」か「いいえ」か、答え方に気を付けて選びましょう。
また、否定形や平叙文なども出題されます。練習する時に問題と答えをセットで覚えておくと、答え方のパターンが分かり、瞬発的に答えられるようになります。
TOEIC®︎ リスニングセクション・パート2攻略ポイント
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【パート3:短文問題】
パート3の会話は長く、全てを覚えるのは難しいかもしれません。そのため、会話が始まる前に選択肢を読んで、聴くべき重要ポイントを予め把握しましょう。選択肢を先読みすることで、何について聞かれるのか、聴き取るべき重要単語は何かを把握できます。
設問の順番で会話も流れるので、3つの設問の答えを同時に探すのではなく、上から順に1つずつ集中して聴くことをおすすめします。
また、3人以上の会話が出題される場合は、先読みの際に登場人物の名前を把握し、主語(登場人物)と動作を結びつけて聴くようにしましょう。
図表の問題を解く際には、選択肢にある情報だけに目を行かないようにしましょう。図表問題では、選択肢にある情報以外がヒントとなることが多いです。例えば、図表に予約時間と名前があり、答えで名前を選ぶ場合、設問にある名前だけでなく、予約時間にも注意して聴きましょう。答えとなる名前ではなく、予約時間から答えを導き出す必要がある場合が多いです。
TOEIC®︎ リスニングセクション・パート3攻略ポイント
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【パート4:長文問題】
パート4では、30秒から60秒の長めの音声を聴いて問題に答える必要があります。そのため、他のパートよりも「先読み」がより重要になってきます。最初の説明の間に、できるだけ多くの問題を先読みすることが大切です。音声が再生されたら、先読みをやめて音声に集中しましょう。その後は、「問題をなるべく速く解く」→「次の問題を先読みする」→「音声に集中する」を繰り返します。わからない問題が出てきても、そこで止まってしまわず、諦めて次の問題の先読みを始めましょう。大事なのは、音声の速度に合わせず、とにかく速く次の問題の先読みを始めることです。普段から、音声を聴いてから問題を解くまでの時間を短くする訓練をすることで、先読みに使える時間を増やすようにしましょう。
先読みに追いつかない、読んだ内容を忘れてしまうという場合は、設問だけでもしっかり読み込み、音声を聴きながら正しい選択肢を選ぶ方法を試してみましょう。
設問1では、「誰がどこで何を話しているか」について聴かれる場合が多いです。ここでは、ある特定のパートを集中して聴くというよりは、全体を通して判断しましょう。ここは飛ばして、最初から設問2の内容に集中して聴けるように、全体の流れを瞬時に把握できる力を身につけておきましょう。
設問2以降では、「次に何をするか」や「詳細」「話し手の意図」について聴かれることが多いです。「次に何をするか」では、設問で聴かれている対象人物の動きに注意して聴きましょう。「詳細」については、設問や選択肢からキーワードとなる単語を見つけ、そこに注目して情報を聴き出しましょう。「話し手の意図」では、内容だけでなく、対象となる人物の口調(明るい雰囲気か暗い雰囲気か、焦っているか、怒っているかなど)にも注目しましょう。
TOEIC®︎ リスニングセクション・パート4攻略ポイント
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TOEIC®︎ 対策おすすめ参考書
公式TOEIC® Listening & Reading 問題集
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TOEIC L&R TEST 出る単特急金のフレーズ
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